第10、11回(6月21日、7月19日)「右脳主導型社員を如何に育てるか」報告
今回のテーマは2ヶ月続けて「右脳主導型社員を如何に育てるか」でした。この話題の中心となったのは「ハイ・コンセプト『新しいこと』を考え出す人の時代」ダニエル・ピンク〔著〕大前研一〔訳〕です。
著者は、「農業の時代」から「コンセプトの時代」までの歴史的変遷の考察の中で、「格差社会」を勝ち抜くための3条件として1)よその国、特に途上国にできることは避ける2)コンピュータやロボットにできることは避ける3)反復性のあることは避ける、と明言した後に、米国や日本のような先進国では、今後右脳が主役の「ハイ・コンセプト/ハイ・タッチ」時代になると予言しています。
「ハイ・コンセプト」とは:
1)パターンやチャンスを見出す能力
2)芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力
3)人を納得させる話のできる能力
4)一見ばらばらな概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力であり、
「ハイ・タッチ」とは:
1)他人と共感する能力
2)人間関係の機微を感じる能力
3)自らに喜びを見出し、また、他の人々が喜びを見つける手助けをする能力
4)日常的な出来事についてもその目的や意義を追求する能力である。
また、これから求められる6つのハイ・コンセプトでハイ・タッチな感性には、1)機能だけでなく「デザイン」を2)議論よりは「物語」を3)個別よりも「全体の調和」を?論理ではなく「共感」を4)まじめだけでなく「遊び心」を5)モノよりも「生きがい」を加えてゆく必要がある。
「ハイ・コンセプトの時代」において本当にすごい人とは、右脳からアイデアを出させて、左脳で評価することができる。また、「必要条件」が右脳から出てきたら、それが「十分条件」かどうかを左脳で判断できる。つまり、左脳と右脳をバランス良く働かせることができる人ということになります。
会議の中でのディスカッションでは、右脳と左脳のバランスが必要と記述されているが、よくよく考えてみると、日本人は論理的な思考が不足しているので論理思考の訓練がなされてきた。もう一度日本人の得意としてきたのは、何であったのか?を良く考えて見る必要がある。今回、重要とされている右脳の部分に強みがもともとあったのではないだろうか?そうであるならば、論理思考を鍛えてきた日本人は、再度、日本人の本質を取り戻すならば、今後を生き抜く上でバランスのとれた人材にいち早く到達できる人種と思われる。
しかしながら、病院などをみてもわかるように、右脳を育てることが必要な医師が多いことも事実であり、右脳と左脳のバランスを意識することが重要であることを思い起こさせる。今後、社員教育の中でいかに右脳を鍛えるかの研修も考えていく必要があるかもしれない。などの意見が出ました。
次回(8月23日)は、右脳開発と関係するかもしれない「フィッシュ哲学」をテーマに組織活性化について話し合います。
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