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第8回(3月22日)「プランド・ハプスタンス・セオリー」報告
 今回のテーマは「プランド・ハプスタンス・セオリー」でした。この理論はスタンフォード大学のジョン・クランボルツ教授が提唱し、先頃の日本講演で紹介したため旬の話題となっています。一方で、日本国内のキャリアデザインの世界で、研修にしてもカウンセリングにしても、企業ではリストラ対象が一巡し若手社員に働きがい、生きがいを持ってもらうため、また学生には就社から天職選びへの転換を図るために何かが必要だという、模索が始まっている段階でもあり興味深く紹介されました。

 まず冒頭で、クランボルツ氏の理論の簡単な紹介、所由紀氏の「偶然からのキャリア形成」(偶キャリ)の執筆の紹介、慶応大学院の高橋俊介氏、小杉俊哉氏らの見解等を紹介した後に、実際の研修などでどのように取り入れていったらよいかを考えることにしました。

 そこで参考になったのが、前出の小杉俊哉氏の「キャリアを固定的に捉えずに、選択的にオープンにし、幸運を作り出し、リスクをとって失敗することを推奨し、自ら身に着けたいスキルを伸ばせるような仕事を受け入れ、学習を続けるアプローチ」「キャリア研修で何より重要なものは、社員に自律意識を持ってもらうこと、キャリアは自身で考え、切り開いてもらわなければならない、キャリア構築・開発に必要な行動につながるプランニングのプロセスを身に着けてもらうことだ」という言葉です。

 小杉氏の著書「ラッキーをつかみ取る技術」の中で、「ラッキーな」人たちに共通する行動として、幸運をただ待っているだけでなく、幸運に備え、呼び込み、幸運を見つけ、取りに行き、モノにするような行動を取っていることも参考になりました。

 今回の会議では、日ごろからそうした行動が起こせる人は、目的意識が明確になっているはずであり、目の前を通り過ぎる「偶然」を的確に捉え「自分の目的遂行にいかに関連しているかを、明確に定義して自分のキャリアに活かせる」のではないかと結論しました。

 その後、HRD研究所で用意してあったエクササイズとして「目的の明確化のプロセス」を体験してみました。参加者それぞれの仕事観、価値観が異なっていることを実感し、また目的の異なる中でそれぞれの存在をいかに受け入れるかということにまで言及した、白熱した議論で盛り上がりました。

 次回以降の予定は、原則として毎月1回第3水曜日になりました。(8月のみ第4水曜日)毎回異なったテーマですので、いつからでも参加できます。お申し込みは「人材開発担当者会議」からどうぞ! 

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