CompTIA ITSC2010受賞者からのメッセージ
IT業界内で作成された各業務の実務能力基準の認定活動などを行っている世界規模の業界団体であるCompTIAが、その認定基準の一つであるCTT+をもとにインストラクター及びトレーナーの「講習スキル」競う日本での第3回スキルコンペが今年も実施されました。
CTT+の詳細は
CompTIAのホームページをご覧いただきたいのですが、IT業界に限らず学校教育や英語塾などの教師や企業の中でもヒューマン系といわれる研修を担当する講師にも、また最近では営業に携わる方々の対顧客対応にも必要とされるスキルであると注目されています。
今回のコンペでは、銀賞1名と銅賞1名が表彰されましたがそのお二人からメッセージをいただきましたので下記に掲載させていただきます。(表彰に関するCompTIAの
プレスリリースをご覧ください)
●銀賞 フリーインストラクター 小林 洋士 氏
私は元々がコンピュータソフトウエアの技術者として社会人をスタートし各種プロジェクトに携わり、後に営業推進など。一度転職してからは通信系の営業、経営企画、人材開発などを務め、定年退職するまで、研修講師を業とする時期は無かったのです。
定年と同時期に生涯現役を目指して自分で会社を興していましたが、その数年後HRD研究所を紹介していただいたのです。研修講師としてお付き合いするにはどんなスキルが必要なのかを問うたところその答えが「CTT+の認定は持っていた方がいいでしょうネ」と言うものでした。その時期、HRD研究所の契約講師は品質レベルを保つためにもCTT+を一つの物差しにするという方針が出ていましたので、その流れの中で私もチャレンジする事になりました。
私にはVBTが難関で何度目かの応募で合格することが出来ましたが、その指導を得る中で得た「PDCAによって成長して行く実感」が忘れられず、合格した後も研修のたびにあの緊張感を忘れないようにしたいと心がけていました。そのようなときにITSC2010のお話を聞いて再度挑戦してみようと思ったのです。今回は出来上がったビデオをじっくりと見直して提出フォームをしっかりと書くことに重点を置きました。
今後は、受賞に慢心する事無く、講師のスキルアップは継続して続ける訳ですが、並行してやってみたい事がいくつかあります。
■CTT+では講師の立場でPDCAの実行が述べられていますが、これを上位に拡大し、クライアント企業の育成方針を確認し、キャリアプランを設計し、研修講座、内容を開発し 講座を実施し、改良・改善する。など広義の人材開発PDCAです。
■ISO29990(非公式教育・訓練のための学習サービス-サービス事業者向け基本的要求事項)が、2010年8月30日付けで発行されました。関係団体が日本語化を進めている最中と聞きますがこのアセッサーの資格にもチャレンジしてみたいと思っています。
受賞スピーチの最後を、はやりの謎かけで締めましたので、ここでも。
「2010年ITSCのSilver Award受賞」と掛けて、「奥に秘めた熱いマグマ」と解く・・・その心は「近く(地殻)に自信(地震)が伝わります。」
●銅賞 ソニー株式会社 池田 昭彦 氏
私がITSC応募した目的ですが、まず講師スキルの評価をする仕組みが社内には無いので、自分の実力がプロの講師と比べてどの程度なのかを確認したかったという点です。そしてCTT+の12のスキル基準を活用して、ITSCに応募する研修を設計してトレーニングする事を通して自身の講師スキルを高める事が出来ると期待していました。
努力、工夫した点としては、まず初めにCTT+のスコアリングガイドの12項目をじっくり読み込んで理解に努めました。次にそれを網羅した研修を設計しながら練習に励みました。受講者に安心感を与え、やる気を高め、気づきを引き出せる研修となるように大小様々な検討を繰り返し実施しました。そしてその映像を繰り返し見ながら自身のインストラクションと受講者の言動を様々な視点で分析して振り返り分析(フォームCに該当する提出フォーム作成)を行いました。これらの経験は自身のスキル向上に大変役立ちました。
この研修設計と振り返り分析において、HRD研究所のPIT+のセミナーでの講師の皆さまの具体的かつ親身で丁寧な指導が染みるように素晴らしく、そのおかげでスキルの向上を大変に満足のいくレベルで行うことが出来ました。このような実践的な指導の出来る方々と出会えた事は私にとっては今回の受賞以上に貴重な財産です。
今後の抱負としては、この受賞を生かしてより多くの人々の成長を支援できるように活動の幅を広げて行きたいと思っています。CTT+の中心となる受講者中心主義を貫きつつ、12項目のスキル標準を意識しながらインストラクションの実践と振り返りを継続していき更なるスキル向上を図っていきたいと思います。
2011.02.15
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