2014年は甲午(きのえうま)
新年明けましておめでとうございます。
昨年は格別のご引立てにを賜り、厚くお礼申し上げます。
本年も社員一丸となってサービス向上に努めて参りますので、
一層のご愛顧を賜わりますようお願い申し上げます。
皆様のご多幸と貴社のご発展をお祈り申し上げます。
アベノミクスのおかげかどうか、いずれにしても景気回復への期待が膨らんだ2013年が終わり、この新しい年がどのような年になるだろうかと気がもめます。
株価は相変わらず高値を維持していますが、東京株式市場は年明けの大発会で400円以上の値下がりを見せ、一抹の不安を感じさせないでもありません。
そのうえ昨年は、中韓との関係は一向に改善せず、多くの批判を受けながらも国会では秘密保護法案の採決が強行されているという状況です。
分からないことは神頼みというように、いっそ今年の行く末を迷信に頼って見てみるのも一興かもしれません。
2014年は甲午(きのえうま)。過去にさかのぼり甲午の年に何があったか見てみましょう。
- 1954年:日本民主党結党。敗戦処理政治が終わり民主政治の始まりとなる。
- 1894年:日清戦争開戦。急速に軍事国家へと突き進みはじめる。
- 1834年:天保の改革施行。幕末の始まり。
以上のように甲午の年は、始まりの年とされています。そこには良くも悪くも人々の欲望が強く現れるのだそうです。そうすると、2014年は日本の右傾化の始まりとでも解釈されるのでしょうか。
これらはこじつけ、迷信です。科学的根拠は何もありません。しかし、これらを否定できる根拠もまた無いのです。人の世とは分からないことだらけですね。
昨年は、この世の成り立ちを説明するために必要な最後の粒子とよばれた“ヒッグス粒子”が発見されました。これで何もかも分かるのかというとそうではなく、ますます謎は深まっていっているという話も聞きます。
宇宙に存在する物質やエネルギーのうち説明できるものはその総量の数%であり、宇宙の大部分を占めるダークマターやダークエネルギーについてはまだ仮説があるのみです。
また“超ひも理論”という最新の考え方によれば、量子(最小単位の粒子)は、無から生まれ、消えていくのだといいます。何かが生まれるにはその原因となることがなければならない、と因果関係という論理の無い世界がこの世の基本らしいのです。
人間の世界は目覚ましく進歩していますが、分かっていることよりも分からないことのほうがはるかに多いのだということを、私たちは認識しなければならないのでしょう。
少なくとも今年はこれからどうなるか、などの未来についての確定的な説明は不可能です。
それゆえに、むしろ私たちは「分からないことが多くある」と断言する必要があるのではないでしょうか。
自らの無能さを認識すること。「私にはこれができる、これを知っている」というよりも「私にはこれができない、これを知らない」という認識を持てることが重要です。
無能の自覚ができてこそ謙虚になることができ、成長への努力ができ、自らの心をも見栄や慢心からくる不安を消して安んずることができるのではないでしょうか。
株式会社エイチ・アール・ディー研究所 代表取締役社長 吉田繁夫
2014.01.07
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