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インストラクターの知恵袋(1) 質問されるのが怖い?
インストラクターのトレーニングで「一番苦手は何ですか?」と訊くと、大勢の方が「質問されるのがいやだ!」と言われます。中には「怖い!」とまでいう方もいます。「教えることは大好きなのですが、質問されることを考えると憂鬱です。中には答えられないような意地悪な質問をわざとする人もいるのですよ!」と言います。

しかし一方で質問にうまく答えられるインストラクターの評価はとても良いことも確かです。言い換えてみれば、質問対応がうまければ評価の上げどころと言えるわけです。評価を上げるためのインスト・スキルではないとしても、参加者の理解度や満足度を高めるためにも質問対応法はしっかりと身につけておくことが大切であることには変わりありません。

ある外資系のクライアントのインストラクター評価項目に「質問の対応は適切だったか?」と並んで「質問がたくさん出たか?」という点がありました。参加者からたくさんの質問が出るほうがインストラクターの評価がよいのです。「このインストラクターはどんな質問にも答えてくれる。」そして「もっと内容を深く理解したい。」と思えばこそ質問をしてくるからです。当然質問対応が適切であるからこそ、インストラクターを信頼して質問してくるともいえるのです。

インスト・スキルの練習で質問対応法をしっかりと身につけることが大切です。また、研修前の準備として参加者分析と学習内容の分析をして、想定質問とその回答をしっかりと準備しておけばたじろぐことはないでしょう。さらにオリエンテーションで「質問があれば、いつでもどしどししてください」と言い、単元ごとに「質問はありませんか?」と質問を喜んで受け入れる態度を示すことは参加者に安心感を与えることになります。答えられない質問や後回しにしたほうが良いと思われる質問には、忘れないように、また「逃げている」と思わせないためにも「質問事項」「Parking Lot(駐車場)」と書いたフリップチャートに書き置いて壁に貼っておくこともできます。

そうすれば、これからは質問が来たときに、「インストラクターの格を上げるためのチャンスだ!」「質問!大歓迎!」と心のなかで叫びながらにっこりと対応することができるでしょう。
2008.10.11

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