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研修中に震度5で
7月23日(土)午後4時35分、東京で震度5強
HRD研究所のセミナールームでは「プロ・インストラクター養成塾」が開講されていました。所在地は千代田区岩本町3丁目の交差点に面する、俗に謂うペンシル・ビルの9階。柔構造でしょうか、まるで船に乗っているようにゆらゆらと部屋全体が揺れています。棚から物が落ちるほどではないにしても、窓のブラインドが布のように巻き上がって揺れ、カシャンカシャンと音を立てています。非常口のドアを開け逃げ場を確保してから、ゆさゆさと揺れて倒れそうになっている観葉植物を必死で押さえます。

その間、研修受講者の方々はテーブルをしっかりと掴んで身の安全を守っておられます。NHKの大相撲中継は途絶えることなく放映され、テロップで地震情報が流れています。「下界はそれほど揺れていないのかな?」「でも震度5だよな?」

揺れが収まったとき、参加者の一人のMさんが手帳を取りだして「電話をお借りいたします」と社内の数箇所に電話で様子を聞き、いくつかの指示を出します。それから上司に電話して状況を報告して、研修終了後帰社すると言っています。その間30分ぐらい、Mさんの行動には目を見張るものがあります。現場で働く管理職とはこういうものなのですね。

土曜の午後ということもあるのでお休みの会社も多いとは思いますが、Mさんと同じ行動を取っている管理職がどれだけいるのだろうかと想像していました。もしものときの適切な対応ほど管理職に求められるものはありません。私たちがご提案している管理職研修の企画にもこうした血の通った管理職の実体を捉えていなければいけないのだ、と思い知らされました。

ビルの2階にある床屋さんのマスターが非常階段を駆け上がってきて「大丈夫ですか?!」と声を掛けに来てくださいました。7月の初めに引っ越してきたばかりの我が社の様子を気に掛けてくださったのです。下町の情緒です。ろくなご挨拶もしていないのに・・・そんなことは関係ないという素振りです。ジワーっと熱いものが込み上げます。

今再び「EQ−心の知能指数」が取りざたされています。特に管理職のEQです。8月の「人材開発担当者会議」でもこのテーマを取り上げることにしました。部下がどんな態度を取ろうとも、変わらぬ愛情を降り注ぐことのできるマネージャーが求められているのです。床屋さんのマスターのように心から相手のことを気遣うリーダーが必要なのです。

震度5の地震の中で、幾人かの方々の実際的な行動から多くのことを学ばせて戴きました。地震のあとの通信手段は携帯電話より固定電話、電話よりも携帯メールが有効であるということも含めて・・・

(TY)
2005.07.24

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