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インストラクターの知恵袋(5) 組織と受講者のニーズが違うとき
受講者が、「どうしてこんなセミナーに参加しなければならないんだろう?」と疑問や不安を感じながら参加している場合があります。私が担当したセミナーでも、組織と受講者のニーズが違っているときがありました。

全社的な売り上げ増強計画がたてられ、サービス部門の方々にも売り上げ責任を持ってもらうことになり、サービス担当者に営業の仕方をお教えするという内容の研修でした。ところがセミナー会場に着いてみると、受講者たちは「そんなことは聞いていない」「我々の役割は、サービスを提供することだ」と、研修の内容に対して不満があり、積極的に受講する意欲が見られませんでした。

こうした場合にCTT+では「受講者と所属組織のニーズおよび目標を達成するように励ます」ために「受講者の業務に役立つことを示し」たり、「組織への貢献につながることを示す」ことになりますが、その前にやることがあります。受講者がそうした理論的な納得をする前に、すでに抱いている「不満」という感情を取り除いておかなければ、理屈がどんなに正しくても受け入れるものではありません。

そこで私が行ったのは「共感」です。「いや、まったくそうですよね。サービス担当者としては、納入した商品が正常に稼働して、お客さまが満足して使っていただくために、やることはいっぱいありますよね。いくら時間があっても足りないくらいですよね。それに、売ることはそれほど簡単なことでないことも確かですよね。だから営業部門があるのだし、まして営業の方にサービスもやってくれって言ったら彼らは困るでしょうね。皆さんはサービスのプロですものね・・・」と、サービスの方々の立場から考えた不満を言ってしまうのです。どんな反応があったと思いますか?「そうだよ、我々の気持ちをわかってくれるだろ!」と皆さんが、少しほっとした顔になってくださいました。

次にやったことは「では、この景気低迷の時に会社方針としては売り上げを増強するために、全社で取り組むということになっているのですが、サービス部門としてはどのように取り組むことができるか、考えてみませんか?」とグループワークと発表を入れてみました。その結果としては、「サービスの質を高めて側面から支援する」「リプレースや増設の見込みのあるユーザーの情報を営業に知らせる」などの提案がでてきました。最後には「そうした営業提案をスムーズに受け入れてもらえるように、お客さまに事前に説明しておく」「いや、お客さまは営業の説明よりも、我々現場を知っている技術者の説明のほうがよっぽど信頼するぞ」などの議論になってきました。

「それでは、とりあえず営業の標準的なやり方について学んでみませんか」「そしてサービス担当者として取り入れてみたいスキルを整理してみましょう」「きっと新しい観点で何かが見つかりますよ」「それが、会社が望んでいることではないでしょうか」と言って予定していたセミナーを始めました。

お分かりのように、ここで一番大切なことは「受講者自身の学習意欲を高めること」。そのためには「学習内容が業務に役立つ」ということを納得してもらわなければならないことです。やり方は色々とあると思いますが、この中心となる考え方を忘れないようすればいいアイデアがわいてくると思います。
2009.04.02

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