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インストラクターの知恵袋(4) 目は口ほどにものを言い
日本の古くからのことわざに「目は口ほどにものを言い」という言葉があります。目は口で話すのと同じくらい訴える能力があるということです。歌舞伎の演技力も目の使い方が大切だといわれています。「見栄を張る」「大見栄」という演技は、手や足での所作を固めた上で目を用いて観客を見据えます。そのときの目の動かし方で上手下手が分かるというのです。

歌舞伎のように形式化された演技派ともかくとして、映画、演劇、テレビなどに出てくる俳優の演技力も「目の使い方」でぐっと差が出てくるように思います。黙っていても「ものを言う」ような目つき、それも、遠い将来を思う、懐かしい過去を思い出す、何か新しいことを発想しようとしている、いや何か悪いことをたくらんでいる・・・。おなじ「ものを言う」目つきでも違うのです。恋人同士の見詰め合う目、親が子供を見るまなざし、それらも置かれた状況によって異なる・・・。それほど「目は口ほどにものを言う」のですね。

ベテランのインストラクターの目の動きを観察してみてください。最初のうち、自己紹介をして挨拶をしているとき、一人ひとりに暖かなまなざしを注いで「これからよろしく」とばかり愛情を示していませんか。オリエンテーションでこれから学ぼうとする内容を説明しているときのまなざしは「皆さんに重要な、役に立つ内容ですので、がんばりましょうね」と真剣さがみなぎっていませんか。一つ一つの内容を伝えているときにも、参加者の一人ひとりとアイコンタクトを取って理解度を確かめながら、説得力のある話し方をしていませんか。受講者が少し軌道から外れて行きそうになったときに、そばに近づいてじっと見つめて「がんばりましょう!」と無言で語りかけていませんか。

このようにアイコンタクトは真剣さ、説得力、激励、愛情、などさまざまな表現ができるのです。インストラクターも究極のスキルは「アイコンタクト」かもしれませんね。
2009.01.26

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