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ほんとうの顧客優先とは
研修をしていて時々見受けられることとして、参加者が顧客との約束やトラブルを理由にして研修に欠席したり、中座する人がいる。お客さまを優先して考えると研修は二の次ということだ。面白い傾向として営業マンの場合中座するときに「誇らしげに」会場を去っていく人が多い。

 研修に限らず、企業にとってはお客さまあってのビジネスであるから、お客さま優先になることは間違いではないかもしれない。出荷作業と社内業務とを比べれば、出荷をきちんとすることは大切であるし、社内打ち合わせ中にお客さまの訪問や電話が入ってきたらお客さまを優先することが重んじられることもあるであろう。

 数年前に、従業員3000人規模の企業の社長が私の担当する公開研修に参加されたことがある。私がその会社の全営業マンの研修を担当していたのだが、あえて会社の研修ではなく公開研修に出て他社の営業マンを見たいという理由であった。

 その社長の受講態度で感銘を受けたことがある。朝はきちんと15分前に研修室に入り、終了後も15分間は他の参加者とともに研修の余韻を楽しんでいる。驚いたことには、朝から夕方までの間彼の元には一切電話やFAXは入ってこないのだ。会社のほうにはそのように指示してあるというが、3000人規模といえば社長が切り盛りしなければならないことも多いであることを考えると驚きとしか言えない。

 研修が終わって、迎えの車に乗ったとたんに10数枚のメモが渡され、携帯電話をかけ始める。研修から仕事への切り替えの早さもさすがではあるが、研修終了日の夜10時ごろには私の元に電子メールで礼状が届いたのにも恐れ入ったものであった。

 しかるべく研修を受けるということは、自分自身を成長させること、それによって一層顧客にふさわしい素養を身に付け、顧客サービスの向上を図ることである。また、ビジネスマンとして優先順位をきちんと決めたらそれに没頭することも大切ではないだろうか。
ほんとうの顧客優先を考える場合にも、先の社長さんの行動を参考にすることができる。

 少なくとも、私のところに「研修を中座してきました」と言ってやってくる営業がいたとしたら、二度とその営業マンとは付き合わないであろう。いつこちらとの約束をすっぽかすかもしれないからだ。

(TY)
2005.11.29

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