サービス セミナー 研究サロン 事例集 企業情報
第13回(9月20日)「ラボラトリー体験学習による社員教育」報告
 今回のテーマは「ラボラトリー体験学習による社員教育」でした。
 ラボラトリー体験学習の主旨は「人間関係能力に教育について、自主的な気づき・学びから行動変容を促進する」というもので、1947年にグループダイナミックス研究の創始者でもあるK.レヴィンと仲間の研究者が開発したトレーニングです。 彼らは、一人ひとりの存在を大切にし、学びあう関係づくりと態度形成に取り組むことによって、いかに民主的で信頼し合える風土を創り出すことができるか、と言う目標を達成しようとしました。

 現在、この学習方法は、自己理解や他者理解のために、また社会感受性とコミュニケーション能力の開発やリーダーシップのトレーニング、組織開発など様々な領域で応用されていますが、キーワードは1.自主的 2.自己理解・人間関係能力 3.考える(気付き・目標設定)と試行、だとされています。「ラボラトリー(実験室)」と命名されたのは「実験室では様々な試行がなされ、失敗することが成功の大きな礎になる」ことで、失敗もOK、むしろ歓迎する意味を付しています。それで、セミナーリーダーは「講師」ではなく「ファシリテーター」と呼ばれます。

 この体験学習は主に次の4つのプロセスを繰り返す(サイクル)が定義されています。
  1. 体験
    ―実習を経験する。(研修や実習の狙いを明確にしてから経験する)
  2. 気付き
    ―個人でプロセスを振り返る(振り返り用紙が大切。気付きを書く。考える―整理する―追及する)
  3. 分かち合い
    ―グループで気付きを分かち合う(全員が発表。何でも話せる場作り。)
  4. 目標設定・行動
    ―小講義を参考に自分なりの仮設を立て、目標を立てて試行する(ファシリテーターが体験学習の狙いに即した簡単な講義やコメントを行う。目標設定する)

課題提供者である渡商会の野田和子さんのファシリテーションによってひとつの体験学習をしてみましたが、参加者の全員が、大変研修効果が高いことを実感できました。メリットとしては、楽しく学習できる、狙い以外の気付きも得られる、行動変容を促しやすい、などが挙げられますが、デメリットとしては、自主性重視のため、受講者の気付きや学びが少なくてもファシリテーターがティーチングで押し付けることができない、時として気付きや学びを促すために何度も行う必要がある、などです。

 次回は10月18日に「オシムの言葉と社員教育」というテーマです。毎回異なったテーマですので、いつからでも参加できます。お申し込みは「人材開発担当者会議」からどうぞ! 

>>Reserchの一覧へ