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日経ビジネスセミナー「人材開発のプロ養成講座2012秋」ご報告
第4回目となります日経ビジネスセミナー、今回のテーマは「ゆとり教育世代のグローバル人材育成」ということで11月9日に開催されました。内容について、簡単にご紹介します。

弊社からは吉岡が、独立行政法人労働政策研究・研修機構の資料から、「自ら考え行動することができる人材」を重要視するというような問題提起をさせていただきました。

また、HRDコンピテンシーから、研修の目標を測定可能な状態で定義している企業は、ビジネス戦略と人材像のつながりや、研修手法の組み合わせ、受講者の学びに沿った構成などについてもデータをご紹介しました。

東京大学大学院准教授 山内 祐平氏からは、最新の大学での授業の取り組みをご紹介いただきました。「小学生の65%は今は存在しない職業につく」というインパクトのあるスタートで、そのためにどんな知識・スキルが求められているのかというテーマに続きました。

反転授業(Flipped Classroom)という、基本を講義で学習し、応用を宿題で行うという従来型授業の順番を逆転させ、基本の講義の部分を動画などで事前課題とし、応用を課題解決型の授業として行うという授業をご紹介いただきました。
eLearningでは対面型の講義とブレンドした同様の取り組みが10年以上行われていますが、学校教育でもこのような授業を取り入れることで、より思考力・応用力の高い学生を育成するようになっているようです。

シスコシステムズの櫻井 豊氏からは、21世紀スキルの中でも、情報を収集・編集・活用する力、クリティカル思考、ダイバーシティを楽しめる力、課題発見力などをキーワードに、新人育成で世界の拠点を巻き込んだ事例についてご紹介をいただきました。

インテージの乾 奈央氏からは、新卒の新入社員が、入社して2週間で来年度の入社説明会でプレゼンテーションを行うという、思い切った取り組みについてご紹介をいただきました。自立性をはぐくむために講義を減らし、情報収集を自発的に行う習慣をつけさせていらっしゃるとのこと。研修を企画する側が、きちんと期待を伝えて任せることで、新入社員が難しい仕事に取り組んでいくという事例でした。

富士通ソーシアルサイエンスラボラトリの高橋 浩也氏からは、新卒の新入社員に自分たちで何を学ぶかカリキュラムから考えさせるという、こちらも大胆な試みについてご紹介をいただきました。内定者時代から「それでいいの?」などと問いかけることで、新人たちの考える力を引き出し、挑戦させていく、放任のようでいて仕組まれた研修の事例だったと思います。

最後にインストラクショナル デザイン(ASTDグローバルネットワークジャパン)中原 孝子さんから、Benjamin Bloomの教育目標の分類体系(タキソノミー)やM.S.Knowlesの成人学習理論(アンドラゴジー)など成人学習におけるベーシックな部分の講義と、新入社員研修のゴールをどのように決めていけばよいか、パフォーマンス・コンサルティングの観点からワークショップを行っていただきました。

アンケートでは「今後の研修を企画するにあたって、勇気を得られる内容でした」「研修のゴール設定の重要さ。動機付けの重要さに気づきました」「忍耐強く、あきらめない姿勢で臨むことがいちばん大事なことなのかもしれません」などというご意見をいただきました。ありがとうございます。

エイチ・アール・ディー研究所では、今後も人材育成にまつわる最新情報や事例をご紹介・共有できる場をご提供していきたいと考えています。
次回の日経ビジネスセミナーは来年2月ごろを予定しています。

(吉野)

【もっと詳しくお知りになりたい方は…】
直前インタビュー第1回 富士通ソーシアルサイエンスラボラトリの新人研修
直前インタビュー第2回 インテージの新人研修
直前インタビュー第3回 シスコシステムズの新人研修

※インタビュー後編も後日掲載予定です。
2012.11.12

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