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動機づけ衛生理論
■理論の背景
動機付け衛生理論は、フレデリック・ハーツバーグが1966年に提唱した、人間のモチベーション要因に関わる理論であり、「2要因理論」とも呼ばれる。

■ハーツバーグの調査
ハーツバーグは、人は満足を求めて行動を起こすもの(動機)であるとし、以下の表のように、仕事上の満足感に影響を与える10個の要因をあげ、アメリカ・ピッツバーグにおいて、200人の技師・会計士を対象に、面談での質問という形で調査を行った。以下の表は、10個の要因それぞれが、調査対象者のうち満足感・不満足感のどちらにつながったと感じた者の、おおよその比率(単位%)である。

要因 達成 承認 仕事そのもの 責任 昇進 会社の政策・経営 監督技術 給与 上役との人間関係 作業条件
満足感 45% 30% 25% 20% 20% 5% 5% 15% 5% 0%
不満感 5% 15% 15% 5% 10% 35% 20% 20% 15% 10%

(要因の説明:承認とは認められる、ほめられること。責任とは責任ある仕事を任されること。監督技術とは、上役のマネジメントスタイル。)

■ハーツバーグの結論
この調査によりハーツバーグは、人間の満足感・不満感に関わる要因が、以下のように、それぞれ別のグループに分けられるとし、上表の左の5要因を動機付け要因、右の5要因を衛生要因とした。

要因 意味 効果 起源
動機付け要因 満足を感じる やる気を高める 自己実現を求める人間脳
衛生要因 不満を感じる やる気を下げる 不快の回避を求める動物脳

すなわち、人間がやる気を高めるのは、動機付け要因を得たとき、あるいは得られると期待を持ったときで、衛生要因が得られてもやる気を高めないとした。また、衛生要因が得られてもやる気を高めることはないが、得られないとやる気の低下を生じさせるとした。

■動機付け衛生理論の影響
ハーツバーグは、これまでの「科学的管理法(テイラー)」などの管理手法は、衛生要因に偏重したものであって、従業員の仕事へのモチベーションを高めるには、積極的に動機付け要因を刺激すべきだとした。
この結論は、その後のマネジメント手法のあり方に大きな影響を与えた。

以上

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